大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和25年(う)3823号 判決

同一被告人に対する同一事件について、裁判所が特定の証人を一度適式に宣誓させて尋問した以上、該審級において爾後該証人を数次喚問したとしても、裁判所は、その都度これに宣誓をさせる要はなく、最初の宣誓に基いて引き続いてこれを尋問すれば足りる。けだし、宣誓は、被告事件について行われるものであるから、かく解すべきことは当然である。従つて、同一被告事件の同一審級にある限り、同一証人に対する右数次の尋問において、その尋問事項が相異し、或いは裁判所の構成に異動があつても、これがため宣誓を繰り返す必要があるものではない。刑事訴訟において証人に宣誓を命ずる趣旨は、所論のとおりであるが、これは、あくまで証人自体が宣誓の趣旨を解してこれに副う供述をすることにかかるものであつて、裁判所の構成員や尋問事項に関係するものではない。記録によれば、本被告事件に関する原審における証人大内朝吉に対する二回にわたる尋問の経過は、所論のとおりであるが、これがため同証人に対する二度目の尋問たる第七回公判期日における尋問が瑕疵を帯びるものでないことは、前叙のとおりである。従つて、原判決が右証人の公判廷における供述を採証に供したからとて、これをもつて所論のように原判決が採証上の違法をおかしたものとすることはできない。

論旨は、理由がない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!